演出は神である!

劇団十夢の演出です。
芝居を作る上での苦労話や映画・演劇を観た感想などを独断と偏見にまみれて書いていこうと思います。
(映画は★10点満点で採点してます)
どなた様もお気軽にコメントください。

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2009.11.09 Monday

イエスマン

神の採点:★★★

思ったよりは面白かった映画です。


思ったよりは。


この手の映画は外す事が多いだけにあまり期待はしていませんでした。
「まぁ、星2つぐらいかな?」と思っていましたが、星3つ分の面白さはありました。
ファンタジーではなく、リアルな現実にほんのちょっと「非日常」を持ち込む。
そのギャップに笑いが生まれ、物事の本質を見つけだし、ハッピーエンドとなる。
(この手の映画で許されるのはハッピーエンドだけです。非日常を持ち込むことによって日常を抉るんです。「大切なもの・こと」を思い出すんです。なのにアンハッピーエンドを持ってくるのは愚の骨頂です。じゃあ「初めからドキュメントやれよ。」です。)

オイラがこの作品のテーマを文章にするとすると

「幸せは”世界を広げる”ことによって掴める」

です。

NO(否定)は世界を狭めます。
自分の存在する場所だけでなく、他者との人間関係も造ることが出来ません。

幸せは「自分以外の者・物・モノ」によってでしか実感できないのです。。

「者」であれば・・・両親、親戚、友人、恋人、子供などですかね。
「物」であれば・・・お金、家、車、本など。
「モノ」であれば・・・仕事、音楽、旅行などです。

自分ひとりで実現できる幸せなんて有り得ないんです。
自分以外の何かを媒介にしないと「幸せ」を実感することは出来ません。
で、多くの「者・物・モノ」を手に入れようと思ったら世界を広げるしかありません。
世界を広げる為に発する言葉は「NO」ではいけないのです。
だから「YES」といい続ければ極論、「幸せになれる」は間違いではないと思います。
(勿論、リアルな現実でYESといい続けたらトンデモないことになりますけどね。その辺の弊害は作中にも多少出てきてますが。)

そんなことよりもオイラが気になったのは主人公カールが「イエスマン」になるキッカケとなった自己啓発セミナーですね。


 
怖い。 ( ̄Д ̄;)


 
この作品は2008年に公開された映画だが、アメリカはまだ自己啓発セミナーなんてあるのか?
確か日本でも自己啓発は流行ったけど、10年以上前の話だったような・・・。


っていうか、

 
このセミナー、


 
インチキ宗教だろ?


 
元々がその線引きに明確なラインが無いので難しいトコロだが(こんなこと書いたら宗教からもセミナーからも文句が来そうだな。)、この「イエス推奨セミナー」は絶対インチキ宗教だ。
カールが少しでも否定的なこと「ノー」の「ノ」だけでも言おうものなら1,000人近い参加者から


 
「ノーメン!ノーメン!」


 
こ、こわ〜・・・。

この時点でオイラどん引きですよ。
そりゃ自己啓発ですから時には答えを強制させる必要はあると思いますが、言葉が言葉だけに危険です。
通常の自己啓発ならポジティブになる為の言葉を強制させます。
「出来る」「やれる」「大丈夫」
でも、「YES(はい)」はとても危険です。滅茶苦茶危険です。
それを見学に来た人間に強制させる。
怖すぎます。
いくら「日常に非日常を入れる映画」だと言っても、


 
入れ方があるだろ! (`m´#)


 
と思うのです。
まぁ、ファンタジーではないので神様や妖精や小悪魔が出てきて「NOと言えなくなる」なんてシチュエーションには出来なかったのでしょうが。

「ノーメン!ノーメン!」


・・・・・・。


夢に出そうです。
 
オイラは昔、仕事の取引先に頼まれてどうしても断りきれず、MLMの会合に参加したことがあります。
(MLM・・・別名、ネットワークビジネス。まぁマルチ商法です、って書いたらMLMの参加者は怒るんあろうなぁ・・・。今回のレビュー、いろんなトコロに喧嘩売ってる気がする。)
○○会館という大きな会場で、会合の参会者は800人ぐらい居たでしょうか。
まだ会合が始まっていなかったので、ロビーには人が多く、ほとんどの人が妙なテンションで、少し頬を紅潮させていました。

「ヤバイ所に来た・・・。」

MLMに参加するつもりは無く、それは来る前から取引先の人にも話してありました。
やはり時間の無駄だと感じたので、お暇する旨を伝えようとした時、会場のドアが開きました。
MLMの本部の人間らしき人が仰々しく手招きします。

「お待たせしました!本日は会長も参加します。有意義な時間にしましょう!!」

 

本部の人間も妙なテンションです。 (-.-”)

 

オイラは取引先の人に腕を掴まれて会場内へ入りました。
・・・そこからのことは正直あまり覚えていません。
単純に月日が流れたから記憶が薄れたのか、


 
即効デリートさせたから


 
なのかは分かりませんが、覚えていません。
ただ、むやみやたらに拍手をさせられたことは覚えています。

挨拶しては拍手。
新しい参加者の名前を呼んでは拍手。
先月の成績を発表しては拍手。
決意を表明しては拍手。

拍手!拍手!拍手!

オイラはそのMLMの会合の他に某宗教の会合にも参加したことがあるのですが、何で宗教にしろMLMにしろあんなに拍手を多用するんですかね。
まぁ普段人から褒められたり認められない人からしたら、その拍手は快感になってしまうのかもしれませんね。
(あ、ちなみにオイラは無宗教ですが、宗教を否定するつもりは無いですよ。押し付けられなければね。勿論インチキ宗教は論外です。)

会合が終わって、取引先の人が話しかけてきました。

取引先「どうでした?」
オイラ「んー・・・。凄かったとしか言いようが無いですね。」
取引先「ちょっと感動しますよね。」
オイラ「あ、それは無いです。」
取引先「そうですか?まぁ、人それぞれですから。」
オイラ「そうですね。」
取引先「で、どうします?一緒にやりましょうよ。」
オイラ「いえ、申し訳ないですけど、興味ないです。」
取引先「えー・・・。じゃぁ何で来たんですかー。」


 
お前が誘ったんじゃーーー!!!( ̄△ ̄#)


 
「新規の会合参加者連れて行かないとマズイからお願いします!」
「ノルマがあるんです!」
「入会してくれとは言わないんで!」

全部、アナタの言葉ですよね?

オイラはこの人には全く興味なかったのですが、取引先の会社には用があったのです。
だから我慢して付き合いましたが、堪忍袋の緒が切れました。
即効担当者を換えてもらいました。
オイラも一応、人間関係を大切にするので余程のことが無い限りこんなことはしないんですけどね。

とにかく、この映画を観てたらあの日のことを思い出してしまいました・・・。

さて、話を「イエスマン」に戻して。

全体的なノリがいかにもなアメリカン(マラソンしながら写真撮影とか)なので、日本人のオイラからすると文化的な違いで理解に苦しむ。

「そんな無謀なサークルがあるのか・・・。」とそちらに意識を取られてしまいます。
マラソンサークル・写真撮影サークル、それぞれなら理解できるけど、両方を併せるって・・・。
とか、
仮装パーティだか映画上演会だか分からんが「集い」のシーンとか。
「アメリカンやなぁ」と意識を取られてしまいます。
まぁ、それは映画的な悪口ではないのですけど。

あ、

悪口と言えば、キャラ設定に関する文句。
主人公のカールは否定的な生活を送っているとはいえ、それなりの生活を送っているようです。
それなりの、というか、むしろ裕福です。
仕事も出来るようですし、飲み明かせる親友もいます。上司からも気に入られているようです。

はたから見てて、


 
不幸せに見えないんです。

 
「NO!」といい続けることによって「普通の人よりも不幸」な状態でないと説得力が無いんです。
ギャップがないんです。
「良い状態」を「より良い状態に」する映画なら映画にする意味がありません。
「悪い状態」から「良い状態」になるから説得力があり、テーマが活きるのです。
でも「悪い状態」に見えないんだもんなぁ。。。
そもそも皆に好かれてるっぽいし。
カール自身が「変わらなきゃ」と悩んでいるならともかく、そうも見えなかったし。
この初めのキャラ設定で失敗しているのでメリハリがありません。
もう少しどん底からハッピーになる落差があれば点数を上げれたかもしれません。

まぁ3連休くらいあって、「その初日の夜に見る映画」、といったところでしょうか。


イエスマン
時間:104分
出演:ジム・キャリー、ズーイー・デシャネル
監督:ペイトン・リード

コメント

こんばんは!chikaです。
お久しぶりです。
土、日と、練習時間が午前の9時からというのを見て、是非、その時間帯に見学に行きたいと思いまして書き込みいたしました!
「明け方の夜に天使は踊る」公演、頑張ってください!
陰ながら応援しています!
もしかしたら、見に行くかもです♪
練習場所を教えてください。
お返事お待ちしております。

2009/12/01 6:19 PM by chika
chikaさん、お久しぶりです。
土曜と日曜の本番前までは「仕込み」というヤツでして、練習ではないのです。
照明合わせや音響チェック、大道具設置などを行います。
いつでも見学ウェルカムな十夢ですが、流石にこの日ばかりは見学を控えていただいております。
それは勿論我々自身の為ですが、見学者の為でもあります。
全員ピリピリしてますし、ゆっくりお話をしている時間もありません。
なので、見学は本番以降にお願いできますでしょうか。
練習日は公式HPの「練習日程」でご確認くださいませ。

もしご都合が合うようでしたら是非、ご覧下さい。
事前にどんな劇団なのか雰囲気はつかめると思います。
2009/12/02 12:49 AM by 演出

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